紫陽花の頃

雨に咲く紫陽花
Originally uploaded by queuedechien.

２年前の今日は、確か、雨は降っていなくて暑い日でした。
６月１５日、愛犬クロの亡くなった日です。

クロは私が小学校の頃、学校からの帰り道で捨てられていて、連れて帰った犬です。まだよちよち歩きで丸々していて、最初に見た瞬間から飼うつもりだったかも知れません。家族も反対せず、すぐに家族の一員になったのです。
１７歳で亡くなるまで、病気一つせずとっても丈夫でした。

一昨年のこの時期、私たち夫婦は結婚記念の旅行を終えて、実家に連絡を入れたとき、父から「クロがもう長くはないよ。会いにおいで。」とメールが来ました。何日も何も食べていないとのことでした。離れて暮らしていた私はあまりに急だったので信じられなかったけれど、会いにいくと、認めたくないけれどすっかり衰弱していました。お医者さんに毎日来てもらい、私も毎日通いました。なんでもいいから食べて！…とヨーグルトや赤ちゃん用の離乳食を口に流してあげました。クロも必死で生きようとしていました。そして家族に「アリガトウ」と言っているような表情でした。別れの前日にもう自力では立てなくなったクロを抱いて、窓から外を見せてあげ「またお散歩いこうね」と声をかけました。
その日は、食事を摂らなくなって１週間目のことでした。
私の小さい頃から、どんな時もそばにいて、卒業…入学…卒業…就職。結婚式の日も。そして１年目の記念日を見届けて安心したかのように…。


クロとの思い出があるから、今があります。
クロがいなかったら、犬と家族のあたたかい気持ち、まっすぐで曇りのない信頼感、堅いきずな、一緒に過ごした何にも代え難い時間…そのどれにも気付きませんでした。

クロのおかげで、今かわいい２匹のわんこがいます。
２匹とも、顔がどこかクロに似てるのです。
クロは男の子、クゥとネルは女の子。クロにふたりの妹です。

お墓参りに行き、（妹たちは元気だよ。お兄ちゃん見守っててね）と伝えてきました。